XREAの初期設定はなぜこんなに使いにくい設定になっているのか
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この記事は、XREAアカウント作成時に無料取得できる .shop ドメインの初期設定について書いています。将来は設定が変更されて執筆時とは状況が異なっている可能性もあります。
現在、XREAのアカウントを作ると、アカウント名と同名の.shopドメインの1年間使用権が無料で付いてきます(XREA Freeに.shopドメインがついてくる!キャンペーンによる)。
この.shopドメインは初めからドメイン設定とサイト設定がされているのですが、そのままでは使いにくい設定になっていて、これではせっかくの.shopドメインが有効に活用できないようになっています。
そして、初期設定のままでは完全無料のXREAのサブドメインでのサイト公開もできません……。
レンタルサーバー初心者で初めてXREAを使う人には意味がわからなくて、使い始めから困ってしまうのではないか。あるいはそのまま使ってみて「SSL設定もできないレンタルサーバー」という認識をもってしまう可能性もあります。
そう、初期設定のままではせっかくの独自ドメインなのにSSL設定できないように仕組まれているのです! これはXREAが与えた試練か、これを乗り越えられる人のみが.shopドメインを活用できる権利を手にすることができるのかとも考えてしまう……。
ダメな初期設定
そのまま使うとどうなるか?を説明しましょう。
ここでは例をあげて説明します。XREAのアカウント名を「osushidaisuki」で作成して、XREAのサブドメイン「osushidaisuki.s1010.xrea.com」と「osushidaisuki.shop」ドメインが取得できました。
XREAでドメイン設定で「osushidaisuki.shop」とそのサブドメインの「www.osushidaisuki.shop」が初期設定されています。
ドメイン設定では、XREAで使うドメインを登録します。独自ドメインのサブドメインもこの設定で自由に作ることが可能です。
ドメイン設定は、XREAサーバーで使用するドメインを登録するだけなのでこの設定は大丈夫です。
しかし、サイト設定の設定方法には大きな問題があります。
サイト設定は、公開するウェブサイトのSSL設定、PHPのバージョン、ドメイン転送などを設定する。サイト設定をおこなうと公開用のディレクトリが作成されます。
2つのドメインがサイト設定されているが、「osushidaisuki.shop」にアクセスすると、「www.osushidaisuki.shop」へ転送されるようになっていて、「www.osushidaisuki.shop」だけを公開する設定になっています。これもまあ大丈夫です。
問題なのはサイト公開する「www.osushidaisuki.shop」が【Main】に設定されていることです!
XREAではひとつのサーバーで複数のドメインのウェブサイトを公開できます(マルチドメイン対応)。
そのためドメインに【Main】と【Sub】をつけてドメインを管理していますが、通常は【Main】に XREAのサブドメイン(user.xxxx.xrea.com)を割り当てておき、サイト公開するドメインは【Sub】とします(【Main】に指定しなければ【Sub】になります)。
そして、XREA の仕様では【Main】に設定したドメインには SSL設定ができないようになっています。
最近は、SSL設定がされていないウェブサイトは「安全ではありません(Apple Safari)」「保護されていない通信(Google Chrome)」と表示されてしまうので、初期設定のままウェブサイトを公開すると「安全性が疑わしいサイト」として警告されてしまうという訳です。
常時SSLサイトが一般的でなく非SSLサイトでも警告されなかった昔は、【Main】に公開したいサイトを設定する方法でも問題なかったが、現代的にはSSL設定は必須。
つまり、XREAの初期設定はすでに時代遅れになってしまっているのです。
サイト設定を変更する
というわけで、全然ダメダメな初期設定になっているのですが、どのように設定を変更すれば使いやすくなるかを説明していきましょう。
かんたんに言うと、【Main】にXREAのサブドメインを指定すればいいだけ。設定手順はいろいろありますが、一番わかりやすいのはドメインごとにサイト設定の変更をする方法でしょう。これは「【完全無料】XREAでWordPressブログを始める方法の サイト設定の変更」で説明している通りです。
ひとつひとつドメインを開いて設定変更するのが面倒なら、一括編集もできます。
【Main】(ドキュメントルートが /public_html/)のドメインをXREAのサブドメインに変更、転送先も削除しましょう。
この一括編集画面は【Main】タグが非表示なのと転送先の入力欄を空にしてもダミー表示がされていて空欄なのかそうでないのかわかりにくいため、不慣れな場合は1ドメインずつサイト設定の変更をするのが楽かもしれません。結局そのほうがストレスがない。
サイト設定の変更後は以下のサイト一覧になります。
旧コンパネで設定する
あるいは、旧コンパネのドメインウェブでも設定できます。実はこれが一番わかりやすくてかんたんです。しかし、旧コンパネは廃止予定とされているので突然なくなる可能性もあります。あと半年で終了すると発表されつつも数年そのままになっていますが……
コントロールパネルの右上隅▼をクリックして「旧コンパネ切替」で移動。
旧コンパネ画面に切り替わったら、左メニューにあるドメインウェブを開きましょう。
ここではドメイン欄にドメイン名を入力していきます。独自ドメインを運用するときは "Main" を「blank」とします(空欄にしておいても設定保存後に blank になります)。"Sub1" 以下にはサイト公開するドメインを入力します。
また、サイト未公開でURLを転送するためのドメインもここで設定することが可能です。旧コンパネのドメインウェブは、新コントロールパネルのドメイン設定とサイト設定を合わせたような設定です。
サブドメインを作りたいときは、ドメインウェブの画面で設定したいサブドメインを入力することでも作成できます。ただし、SSL用ドメインの入力欄にドメイン名を入れてもSSL設定はされないので、SSL設定だけは新コントロールパネルのサイト設定でおこないましょう。
あと、XREAのドメインウェブに書かれているドメイン設定ルールは最良のXREAマニュアルなので、旧コンパネが残っているうちに読んでおくことをおすすめします。
XREAの初期設定はどうあるべきか
さて、XREAのサイト設定の基本形は【Main】にXREAのサブドメインを設定することなのに、XREA自ら変な設定にしているのは何か理由があるの? さては無理矢理 .shopドメインを使わせようとしてる?と考えるのは邪推か。
確かに .shopドメインしか使えないようになっていればその可能性は高いかもしれない。初心者はかんたんに設定が変更できるなんて知らないだろうからそのまま使い始めるとも想像できなくもない……。
ただそれだと前述したとおり、そのままだとSSL設定できない上に2年目以降は有料なので結局使われない(SSL設定できないなら永久無料のXREAのサブドメインのほうがいい)。そして「なんだこのレンタルサーバーは!?」ということにもなりかねない。いや、すでにそうなっているかもしれない……。
無料でこれだけ使えるレンタルサーバーなんてないよ!だから変な初期設定のせいで使いにくい評価になってしまうのはもったいないとおもう。
.shop ドメインが無駄にならず XREAを使いやすくするには、XREAの基本通りの設定で【Main】にはXREAのサブドメイン、運用するドメインは【Sub】に設定しておくのがいい。
新規ユーザーはとりあえずXREAのサブドメインを使うだろうけど、.shop ドメインなら SSL 設定ができるのでちょっと試しに使ってみるかもしれない。そしたら「安全ではありません」なんて余計な表示がされないことに気づいて、.shop ドメインを使い続ける人や独自ドメインはいいなーということになってバリュードメインで新しいドメインを取得するかもしれないし、独自ドメインはサブドメインが作り放題なのでサブドメインを作って新しいウェブサイトのために XREA の有料プランを申し込んだり、コアサーバーを契約する可能性だってある。
キャンペーンの文言通り「XREA Freeに、「.shop」ドメインがついてくる!」であれば、ドメイン設定に .shop ドメインを設定しておくだけでいいとおもう。そのドメインでサイトを開設したければサイト設定をおこなうしメールアドレスを使いたくなったらメール設定をするだろう。わざわざ XREA のサブドメインを【Main】から外すような設定をしていなければ「2年目以降、標準で提供いたしておりますサブドメインのURLに切り替えていただく必要があります」への対処も必要なくなる。
(今後は、ユーザーが使い始めやすい初期設定になるといいなぁと思ってこの記事を書きました)